白い悪魔

職場で救急車を呼び、そのまま5日間入院するはめになった外食事業での勤務だが、退院後、あまり休まず職場復帰した。

この辺りは記憶が曖昧だ。
まあ、とにかく店のオペレーションがこなせる人材が圧倒的に不足していたため、僕が出勤しないと他の社員が休みを取れない状況にあったのは覚えている。
だから、無理して復帰を急いだはずだ。

その頃の記憶は、一人で朝から晩まで麺を作っていたこと。
窓も無い、閉塞空間。
小麦粉と塩と打ち粉。
白い粉と、機械だけが相手の仕事。
ただひたすらアンドロイドのように麺を作り続けていた。
多分、感情も痛みも感じなくなっていたに違いない。
そうでもしなければ続けられないほど、僕にとっては劣悪な環境だった。

だが、たしか職場復帰して1ヶ月するかしないかで、通常の営業店へと転勤となった。
人事の方で、後釜の人材が確保出来たのだろう。

間に入院を挟んだが、通算して約4ヶ月弱。
うどんという白い悪魔からようやく僕は解放された。

白い悪魔