宮古島ツアー

この年の夏には、宮古島にツアー旅行した。

宮古島

ツアー参加者は僕と、クワイアで一緒になった男性の二人だけ。

実質的にはプライベート旅行だった。

沖縄は初めての体験。
しかも沖縄本島ではなく、宮古島とその周辺の島を巡るツアーだった。
宮古島は癒しの力が強いと言われていて、人生に傷ついた人がよく訪れるとのこと。

中にはそのまま居着いてしまう人も多いとか。

実際に宮古島で過ごしてみて、居着いてしまう人達の気持ちがよく分かった。
時間の流れ方が全然違うのだ。

厳密に言うと、時間の使い方が全然違う。
沖縄の人は全然時間を守らない。

ライブの開始時間になっても集まらないし、終了時間も決めていてもそのまま続いている。

土産物屋に行っても、休みたい時は店を閉めていて、他所でお茶をしていたりする。

それで誰も怒らないし、トラブルも起きない。

なんでもかんでもみんなが自分中心に時間を使っているように見えた。

常に他人の決めたルールに従って生きてきた僕からすれば、とても同じ日本人には感じられなかった。

僕は今までずっと自分の時間の管理を他人に渡していたのだ。

宮古島はとても僕と波長が合った。
心地よさは抜群だった。
本当にこのままここに住みたいと思った。

だが、それはあくまで理想の話。
現実には無理だと思った。

やはりここは癒しの島。
傷ついた心と身体を休める場所だった。

ここでの様な暮らしを日常的に送ることを、この時の僕は想像すら出来なかった。
それは非現実的な、まさしく夢のような話だったのだ。

当然のように、日程を終えた僕は、日常へと帰らなければならなかった。
が、帰宅後も僕は非日常の体験を求め続けることになる。

今までの人生の反動から来る、非日常的な刺激を求める、現実逃避行動だった。

それは、形を変えた「快楽」への依存だったことに、僕は気づいていなかった。