狂った人生の資産状況

その時点での借金の返済残高は100万円単位にまで達していた。

職場に復帰して仕事をするという選択肢は無かった。
体力、気力、やる気。
どれもが空だった。
とてもではないが仕事が出来る状態ではなかった。
自力で返済出来る見込みは皆無だった。

事情を知った親が、借金の全額を肩代わりすることになった。
僕には返済する義務は無いとも告げた。

ひとまず、自分で抱えきれない借金の重荷からは助けてもらった。
ただ、それはその瞬間の負債がゼロになっただけであって、その後の資産状況を保障するものではなかった。
自らの資産を増やしていく力が欠落していたからだ。

普通に生きていくだけでも資産は減る。
減った資産は何らかの手段で増やさなければ、破綻である。

僕の場合、仕事による定期的な収入によって純資産がかろうじてプラスになっていたのが、これが無くなったことで、資産を食いつぶし、足らなくなった金額は負債によって賄う形になったわけである。
手っ取り早く不足分を補える負債に、僕は経済面で依存していた。
だから、経済的損失を安易に負債で穴埋めしようとしがちだ。

運用する資産も無い状態から、負債を返済し、純資産を増やしていくには、自らが価値を産み出し、利益を出していくより他は無かった。

だが、その方法がまったくわからなかった。
会社員勤めでの経験でわかったことは、僕は組織に入って雇用されて働くことが難しい、ということだ。
お金のためにだけ働くという環境では、もう生きられなくなっていた。

お金は必要だ。
だが働きたくない。
働けばまた精神と肉体をぼろぼろにしてしまう。
しかし、なにもしないでは生きていくことも出来ない。

強烈なジレンマに、僕は陥った。

狂った資産状況